「名古屋・クアラルンプール補足議定書」採択に関する声明

名古屋で開催されていた「カルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)」は、同会議最終日にあたる2010年10月15日、「名古屋・クアラルンプール補足議定書」を全会一致で採択しました。

この補足議定書は、遺伝子組み換え生物の輸出入によって生態系に何らかの損害が発生した場合、誰がどのようにその損害を修復・賠償するかを定めたものです。

今回の採択を受け、私たち「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(MOP5市民ネット)」は10月16日に記者会見を開き、声明文を発表しました。

声明文のPDFはこちら→20101016_MOP5市民ネット声明

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「名古屋・クアラルンプール補足議定書」採択に関する声明

食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(略称:MOP5市民ネット)

2010年10月16日

昨10月15日、「名古屋・クアラルンプール補足議定書」がカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)総会で採択されました。

私たちMOP5市民ネットは、長い困難な交渉の末に、途上国が待ち望んできた責任と修復の国際制度が法的拘束力のある議定書として成立する運びになったことを評価します。

同補足議定書のない現状の下で、主食など主要な穀物を輸入に大きく依存している途上国は、遺伝子組み換え作物(GMO)の深刻な危険性に曝され、事実上無防備な状態に置かれています。今回、責任と修復補足議定書が成立したことは、こうした途上国にとって大きな支えとなるものと期待されます。

また同議定書は、被害を受けやすい立場にあるGMO輸入大国日本に取っても望ましい内容が盛り込まれたと評価できます。

同補足議定書は、本来、2008年にボンで行われたMOP4で合意されるはずのものでしたが、日本政府が食料輸入国であるにも関わらず、食糧輸出国の立場に立ち、合意を妨げたことにより、この名古屋会議で最大の課題となりました。一時はほとんど骨抜きにされかけた議定書の内容を、評価しうるものに挽回できたひとつの要因として、私たちの市民活動やロビー活動があったと自負しています。

これまで官僚任せにされていた日本政府の交渉での立場を変えるべく、私たちは院内集会や、国会議員に対する情報提供活動を繰り返して、この交渉で民主党政権が政治主導を発揮するよう働きかけてきました。それがきっかけとなり、補足議定書の重要部分である民事責任に関する条項の合意に弾みがつく結果につながりました。このような市民活動の成果は、政権交代以前は望み得なかったことです。

今後、日本政府は、MOP5議長国としてリーダーシップを取り、世界に先駆けて同議定書を調印・批准すべきです。

MOP5期間中、日本での遺伝子組み換えナタネによる汚染問題が世界の注目を集めましたが、名古屋・クアラルンプール補足議定書、そしてカルタヘナ議定書の典型的な適用対象であるはずのこうした状況に対して、カルタヘナ国内法など現在の日本の国内法では対応できないのが実情です。

名古屋・クアラルンプール補足議定書、そしてカルタヘナ議定書の内容を余すところなく反映する国内法を一日も早く整備することが、これからの日本の課題です。そのために、私たちは、草の根レベル、政府レベル、国際レベルでの活動を今後とも強化して行きます。

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会見には、天笠啓祐(MOP5市民ネット共同代表)、河田昌東(MOP5市民ネット共同代表)、真下俊樹(MOP5市民ネット運営委員)のほか、ドイツの環境NGO「エコロパ」代表のクリスティーネ・フォン・ヴァイツゼッカーさんと元ワシントン州立大学教授のフィル・ベレアーノさんも出席しました。(以下の写真は記者会見の模様)

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