加速度を増して深刻化するGM問題と放射能汚染問題は根っこが同じということをしっかりと理解するために、コープ自然派兵庫・大阪・和歌山・奈良・京都の組合員55名が学びました。
この2つの問題について、講師が表にまとめてくださったものを見ると、想像以上の共通性がありました。
遺伝子組み換えと放射能(原発)は、ともにアメリカの国策であり、世界支配が目的、人体の健康には直ちに影響がないが潜在的危険性は大きく遺伝子が傷つけられます。業界・学会の村構造、安全審査のずさんさも全く同じです。
さらに、基礎研究の土台を持ち、チェルノブイリでも長年支援や活動研究を行ってこられた河田さんだからこそ示すことのできるデータにより、問題点が浮き彫りになり、頭の中が整理できました。特に、GM大豆を食べさせた雌ラットから生まれた子どもの生存率が、非GM大豆を食べさせた雌ラットから生まれた子どもの約半分で、体重も脳以外の内臓の重量も半分という研究結果や、GMコーンを食べさせ続けたラットは半年くらいから腫瘍がどんどん大きくなったという研究結果には本当に驚きました。そして、チェルノブイリ事故後の調査からは,放射能汚染がガン・白血病以外にもたくさんの病気の要因となることが読み取れ、「ガンになる確率」だけにとらわれてはいけないとわかりました。
また、「放射能の海洋汚染はどうなるのか。ストロンチウムを測定してほしい」との質問・意見に出て、河田さんから「今回の飛散状況においてストロンチウムは農作物に関してはそれほど心配はないと考えるが、海洋汚染はこれからが心配である、しかしストロンチウムの測定は難しく、時間・費用がとてもかかるので民間での検査は困難」との答えがありました。
これらの大きな問題を背負っていかなければならないことに押しつぶされそうにもなりますが、内部被曝のリスクの考え方や考えうる対策など具体的に示していただいたことや、ドイツや北海道での市民参加の委員会によって政治への働きかけができた事例をご紹介いただいたことで、これからの活動への希望を抱くことができました。
皆、熱心に聴き入っていて「あっという間に時間が過ぎた」「人間として道徳(人道的)立場で物事を考え行動していくためにも、今回の河田さんのお話を胸に刻み、情報を共有していきたいと思えた」などの感想が聞かれました。
「出前講座」の取り組みのおかげで素晴らしい講演会を開催することができました。ぜひこの取り組みが続くことを願っております。
(コープ自然派遺伝子組み換え食品ストップネット)
※食農市民ネットの[出前講座]は、地球環境基金の助成を受けて開催しています。出前講座へのお申し込み・問い合わせは食農市民ネット事務局まで。